更年期などで女性ホルモンの分泌バランスが取れなくなると、仕事がはかどらなくなる、という話をよく聞きます。

実際、若い頃のようにスイスイと次の作業が思い浮かびませんし、なんとなく効率が悪くなったなと感じることも。

年代的に、認知症ではないかと心配になったりもしますが、更年期の症状には「物忘れしやすくなる」というのもあります。

どうしてホルモン分泌がうまくいかなくなると、物忘れしやすくなるのでしょうか。

 

軽いうつ状態が、物忘れしやすくさせる

更年期の女性は、エストロゲン値が安定せず分泌バランスが取れなくなるため、気分の落ち込みが起きやすくなっています。

この状態は、いわゆる「うつ状態」と似ているのみならず、生活習慣やストレスの状態によっては、そのまま本当に「うつ」になってしまう可能性があるのです。

もちろん、時期的なものなのでそのまま症状が悪化せず終わることが多いのですが、一時的に「うつ状態」になっているめ、物忘れしやすくなるのです。

更年期の年代でなくても、女性ホルモンのバランスが乱れやすい月経前症候群(PMS)で記憶がおぼつかなくなる、うっかりミスが増える、などという状態になるのも、同じことです。

認知症だと症状が進む一方のように感じて怖くなりますが、更年期特有の軽いうつ症状と考えると、時期が終われば症状は軽減しそうですし、ちょっと安心です。

 

エストロゲンが安定しないと、どうして忘れっぽくなるの

エストロゲンには、セロトニンなど神経伝達物質の量を増やす働きと、その作用を増強する働きもあります。

脳の中にはエストロゲン受容体というのがあって、海馬(学習・記憶を司る)や扁桃体(情動反応の処理)のあたりにいます。

更年期などでエストロゲンの分泌がうまくできなくなると、セロトニンなど神経伝達物質が不足します。

すると、エストロゲン受容体が多くある海馬や扁桃体の処理速度が落ちてしまい、結果「物忘れ」しやすくなるのではないか、と考えられているのです。

 

更年期が終われば、もの忘れしにくくなるのか

物忘れの原因が、ホルモンバランスの乱れからくる軽い「うつ症状」に由来するものなら、時期がくれば元に戻ります。

更年期が過ぎてエストロゲン値が安定すれば、うつ状態になりにくくなり、結果 物忘れもしにくくなる、という理屈ですね。

ですから

「これは一時期の症状なんだわ~」

と暢気にとらえて、あまり深刻にならないことが肝心です。深く悩んでしまうと、それこそ本当に「うつ」になりかねませんし、そうなると更年期が終わってもツラい時期が続くことになってしまいます。

もの忘れが多い、仕事の効率がよくない・・・と自分を責めずに、そういう時期だし仕方ない!くらいに考えた方がよさそうです。